カゼ(漢)-2

▼柴胡剤
小柴胡湯(ショウサイコトウ)、大柴胡湯(ダイサイコトウ)、柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)、柴胡桂枝乾姜湯(サイコケイシカンキョウトウ)柴胡(サイコ)という生薬を主薬とする方剤の仲間です(柴胡剤)。カゼがこじれて症状が胸に移りつつある"半表半裏"のときに用います。ノドの奥に痰がからみ、胸やミゾオチに違和感を生じたり、咳も胸からでるようなときに向きます。中間証向けの小柴胡湯、実証向けの大柴胡湯、虚証向けの柴胡桂枝湯、もっと虚証向けの柴胡桂枝乾姜湯などがあります。

▼その他(咳・痰)
半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)、麦門冬湯(バクモンドウトウ)、小青竜湯(ショウセイリュウトウ)、柴朴湯(サイボクトウ)、柴陥湯(サイカントウ)、清肺湯(セイハイトウ)、滋陰降火湯(ジインコウカトウ)、苓甘姜味辛夏仁湯(リョウカンキョウミシンゲニントウ)これらは、咳や痰が多いときに用います。漢方では、咳を上昇する"気"のあらわれととらえます。半夏厚朴湯は、この上昇する"気"をしずめる方剤で、冷えのある人(寒証)の咳に向きます。麦門冬湯は、切れの悪いねばっこい痰を出しやすくする湿性の方剤で、空咳に向きます。逆に、うすい水っぽい痰がたくさん出るときは燥性の小青竜湯を使います。柴朴湯は小柴胡湯と半夏厚朴湯を合わせた方剤で、半表半裏を目安に用います。病院では、喘息の治療によく使われています。